「大丈夫。きっとまた会える」
死神の手が頬からすっと離れていく。

胸まで消えた死神はそれでも微笑んでいた。
これから自分がどんな風に罰せられるか、わからないのに。

「待って、まだ消えないで!」
せめて名前だけでも教えて!

その言葉が相手に届いたかどうか。
死神は笑顔を浮かべたまま、霧のように消えていってしまったのだった。