質問が頭の中に浮かんできたとき、死神の下半身が透き通っていることに気がついて絶句した。

「体が……」

「あぁ、閻魔様に呼ばれてるんだ。俺はきっともう戻ってくることはできない」

言いながら美保の頬に冷たい手のひらを当てる。
ジワリとした人のぬくもりに死神は優しい笑みを浮かべた。

「戻ってこれないって、それじゃあなたはどうなるの!?」
未練を晴らすために力を貸してくれた。

落ち込んだときにはそばにいて励ましてくれて、私に沢山の初めてを経験させてくれた。

そんな人がいなくなるなんて、とても考えられないことだった。
それなら自分が消えた方がずっと辛くない。