「なによそれ……」
美保を連れていくはずだった死神が美保を助けた。

それが面白くてついふふっと笑ってしまう。
死神もそれにつられて笑顔になる。

しばらく糸が切れたみたいにふたりで笑い合って、それからふと死神は真剣な表情に戻った。

「これは死神として絶対にやっちゃいけないことだ。俺はこれから罰を受けることになる」

「え、罰?」
思ってもいない展開に美保は慌てて、咄嗟に死神の腕を掴んでいた。

「死ぬ予定の人間を助けたんだ。もうここにはいられない」
「ちょっと待って、嘘でしょう?」

あまりの急展開についていけない。
だいたい、どうして私を助けたりしたの?