「あれ?」

赤信号に変わっている歩道をマジマジと見つめて行き交う車にまばたきを繰り返す。

私は今日ここで死ぬはずだったけど、どうして?

混乱する頭で周囲を確認シてみると、自分のすぐそばに死神が立っていることに気がついた。

「どうして!?」
思わずひと目もはばからず大きな声を出してしまう。

ひとり驚愕の表情を浮かべている美保に対して行き交う人々が怪訝そうな表情を浮かべて足早に通り過ぎていく。

「あ……つい」
死神が自分でも驚いたという様子で目を丸くし、自分の両手を見つめている。

「どうしてだろうな。助けに来た」