美保はひとりで席を立ち、更衣室へ向かう。
一美が選んでくれた服はもう着ないし、自分も服に似合わないメークもしない。

自分は自分。
それでいいと思う。

会社から出て歩いていると、すぐに大きな交差点に差し掛かる。
美保はぼんやりとその交差点を見つめた。

ここで一週間前の今日、私は死んだ。
そのころから一体なにが変わっただろう?

見た目も、地味な性格もきっと対して変わっていない。
だけど確かに変わったものもある。

それだけで、一週間を繰り返した意味があるんじゃないかな?
美保は横断歩道に一歩踏み出す。

沢山の人達が行き交う中、ゆっくりゆっくり歩き出す。