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1日はどうしてこんなにあっけなく過ぎて行くんだろう。
死神と共に過ごした時間はどれもとても濃密で、一品一秒がとても長く感じられた。

だけど普段のルーティーンのように過ごす毎日のあっけないこと……。
就業のチャイムを聞きながら美保は自分のパソコンの電源を落とした。

座ったまま両手を伸ばして背中を伸ばす。
まわりでは今日どこに飲みに行くとか、どこに買い物に行くといった会話が聞こてくる。

そうだった。
今日は金曜日だ。

みんな明日は早起きをする必要がないし、この前の土日出勤のことがあるから特に嬉しそうなんだ。

でも、誰も美保には声をかけてこない。
一美ももう、美保を誘うことはないだろう。