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死神と一緒ならまだまだやってみたいこと、行ってみたい場所、食べてみたいものが沢山あった。

だけど水族館と遊園地に行っただけで空は随分と暗くなり始めていた。
昨日寝不足だったこともあり、体力的にももう限界が近い。

「そろそろ帰ろうか」
遊園地のゲートをくぐって外へ出た美保がポツリと言う。

死神はギュッと美保の手を握りしめて「そうだな」と、頷いた。
今日1日は本当に最高の1日になった。

明日自分がいなくなっても、もう後悔なんてない。
美保と死神はしっかりと手をつなぎ合わせて駅へと歩き出したのだった。