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まさか死神とデートみたいなことをすることになるなんて、死んだときは思いもしなかった。

あの時はただ好きかもしれないと裕之に告白する。
それだけを目的にしてきたのに。

ふたりは売店の外にあるベンチに座って、水族館特性のペンギンソルトクリームという名前のチョコとミルクのミックスを食べていた。

もちろん、買ったのは一人分で死神は時折横からソフトクリームに口をつけてくる。

それこそまるでデート中のカップルみたいでドキドキした。

ソフトクリームを半分ほど食べ進めた時、チャライ恰好の男ふたり組が美保の前を通り過ぎて行った。

友達同士で水族館かぁと思って何気なくその後ろ姿を見つめていると、なにを思ったのかふたりが美保の前に戻ってきたのだ。