せめて掛ふとんか欲しいところだけれど、シングルで予約しておいて布団を頼むのはおかしい。

グルグルと考えている間に死神は室内を見て回ることに飽きたのか、ベッドに横になってしまった。

「ほう。こんな感触なのか。心地いいな」
そう言って目を閉じる姿を見てはもうベッドから追い出すことはできない。

美保はドキドキと高鳴る心臓に気が付かないふりをして「わ、私はお風呂に入ってくるから」と、浴室へと急いだのだった。