そのしなやかな指先につい見入ってしまう。
この人(?)本当にキレイな人だなぁ。

そんな風にまたぼーっと相手のことを見つめていると、ふと同僚の高野裕之の顔が浮かんできた。

裕之は美保と同じ大学卒業生で、同じ会社に就職していた。

そのルックスで女性社員たちからの人気は高く、また真面目な勤務態度を上司からもかわれていて、今重要なプロジェクトの中心にいる。

同じ大学を卒業して同じ会社に就職したのに、これほど差が出るとは正直思ってもいなかった。
まぁ、そこそこの生活ができていれば私はそれでいいんだけれど。

それでもやっぱり裕之のことは気になって、時々視線を送ってしまうこともある。
裕之は常に忙しく動き回っているから、その視線に気がつくこともないのだけれど。

「あ、強いて言えば」