高級ホテルに飛び込みで宿泊しようとしたのだけれど、さすがに難しいことがわかり、美保たちがたどり着いたのは少しグレードは落ちるが普通のホテルだった。

今日は平日で客数が少ないらしくて、飛び込みで来た美保を快く迎え入れてくれた。
でも……客室へ通された美保は思わずその場に立ち尽くしてしまった。

部屋は広くてキレイだし、アメニティも揃っているし、一晩泊まるくらいどうってことはない。
問題はベッドの数だった。

つい、シングルで部屋を取ってしまったから、当然部屋にあるベッドはひとつだけだ。

普段美保が使っている自室のベッドに比べると大きめだけれど、もしかしてこれにふたりで眠ることになるんだろうかと、そっと隣の死神へ視線を向ける。

死神は興味深そうにホテルの部屋を見てまわっている。