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会社を早退した美保が死神に連れてこられたのは夜の観覧車だった。
有名な観光地で近くには海もある。

観覧車に揺らながら美保はまばたきをして前の席に座る死神を見つめた。
「おぉ、これが夜の観覧車か」

死神は窓にへばりつくようにして夜景を眺めていて、その姿はまるで子供そのものだ。
「もしかして、これに乗ってみたかったの?」

「あぁ。死神は死なないがターゲットと共にいないといけないから、自由に動くことができないんだ」
その説明になんとなく納得してしまう。

興味があること、やってみたことはあっても自分で動くことはできずにいた。
だけど観覧車などの情報だけは入ってきていたんだろう。