昨日途中まで見た映画の内容は、闘病生活を送る彼女を懸命に支える男の子の話だった。
彼女のために院内で結婚式を上げたけれど、その最後に彼女は倒れてしまって……。

というところで寝てしまった。
ちょっとビールを飲みすぎたんだと思う。

気がついたらテーブルに突っ伏して眠っていて、映画はエンドロールが流れていた。
どうかハッピーエンドでいてほしいと思う。

「映画のラスト……」
死神にまで呆れられてしまっている。

こんな自分が死んだところで困る人はほとんどいないだろうから、自分で良かったと思うことにしよう。

「はい。なので連れて行ってもらっても大丈夫です」
再びそういうと死神はなにか考え込むように指先を顎に当てた。