本人はなにが起こったのかわからなかったのだろう、しばらく呆然として立ち尽くしてしまった。

「裕之、ズボン!」
と、一美に指摘されてようやく自分がパンツをさらけ出していることに気がついたようだ。

顔を真っ赤にして慌ててズボンを引き上げているが、もう遅い。
男性社員からは笑い声が溢れ女性社員からは「最低」とささやきあう声が聞こえてくる。

「ち、違うんだ! これはこれは……ポルターガイストなんだ!」
必死に説明する裕之を前に、一美さえ冷めた表情を浮かべていたのだった。