体は氷みたいに冷たいのに。
「うっ……寂しい。寂しいよぉ」

みんなと離れる運命にあることが寂しい。
もっともっと、仲良くなれるはずだ。

一美や裕之ともちゃんと向き合って仲直りすればいいはずだ。
でもできない。

そんな時間はもう残されていない。
「俺のターゲットをこんなに泣かせるなんて、許せないな」

死神がそうつぶやいたので、美保はハッとして顔を上げた。
もしかしてなにか勘違いしてる?

と、質問する間もなくトイレから出ていってしまった。