『小川拓也』

黒板に丁寧に書き出された名前に目をやる。

「よーし席つけ!出席とるぞ」

突然振り返った彼と目が合った。

急に心臓が跳ね上がる。

「まず名前呼ばれたやつから返事なー。」

「安藤桜ー。いるかぁ」

少しだるそうに先生は名前を呼んだ。

「はっはい。います」

ちょっと恥ずかしくて俯く私に先生は笑顔で「はよー」と声をかけた。

一通り出席を取り終わり、先生が自己紹介を始めた