友達できますように……!

そう心の中で唱え、一度深呼吸してから教室のドアを開けて中に入る。

座席表で自分の席を確認していたら、何人かの子と目が合って、その中のひとりが「おはよう」と笑顔で声をかけてくれた。

「おはよう」

「名前なんて言うの?」

高村(たかむら)(もえ)です」

「萌ちゃんっていうんだ! 可愛い名前だね」

「ありがとう」

「萌ちゃん、ちっちゃいね~! 身長何センチ?」

「140センチくらいかな」

予定より3ヶ月早く未熟児で生まれたこともあり、わたしは同年代の平均身長よりもかなり背が低い。

家族や親戚からは「まだまだこれから伸びるよ」と言われているけれど、結局中学2年生くらいからほとんど身長は伸びず、140センチちょっとで成長が止まってしまった。

背の順で並ぶ時もずっと一番前だし、物心ついた時から「チビ」とからかわれることも多くて、背の低さは今もコンプレックスだ。