ある日、慎太郎さんは私の前から姿を消した。

私はしばらく男性を信じることが出来なかった。

しばらく一人の時間が流れた。

このままずっと一人で生きていく方が楽だと考えていた。

そんな時、龍司さんと巡り合った。

でも、中々心を開くことが出来ない。

(また、龍司さんも私の前から姿を消すのかな)

そんな思いが私を臆病にさせた。

龍司さんは時間をかけて、ゆっくり私の気持ちを解かしてくれた。

(もう一度だけ、信じてみようかな)

私は龍司さんを受け入れた。

龍司さんより好きになる人は現れないと思っていた。

だから一年前龍司さんとの別れは心を引き裂かれる思いだった。

その時、廉也さんと巡り合った。

(信じられない、こんなにも強引で、自分勝手に事を進めて行く人がいるなんて)

初めての感覚に戸惑いを感じた。

廉也さんは私を見つめて言った。

「俺は浮気はしない、みゆをずっと愛する、だから俺に惚れろ、いいな」

「あのう、龍司さんに何て言えばいいでしょうか」