(このまま時間が止まればいいのに……寝顔もかっこいい、こんなかっこいい人が私を好きになってくれたなんて嘘みたい)

(でもまた他の女性を好きになったら、私はふられるんだ。
だから深入りしちゃいけない、傷つきたくない)

廉也さんは目が覚めて、隣に私がいないことに気づく。

「みゆ!みゆ!」

寝室から飛び出し、キッチンにいる私を見つけると、後ろから抱きしめた。

「良かった、また帰ったかと思って焦ったよ」

私の背中越しに声をかける廉也さん。

「おはようございます、一緒に朝ごはん食べようと思って、キッチンお借りしています」

私を振り向かせ、唇を塞ぐ。

そのまま私を抱き上げてベッドルームへ運び、身体を重ねる。

「社長、駄目です、もう起きて支度しないと遅刻します」

「廉也でいいよ」

「いいえ、昨夜は調子に乗り過ぎました、すみません」

「大丈夫だ、廉也って呼べ」

「私達、恋人同士じゃないんですから、これから一線超えないようにしないといけないと思うんです」