(なんでだよ、俺のみゆへ対する気持ちは伝わってないのか、あんなに愛を確かめ合ったのに、あれはみんな幻だったのか、他に好きな男でもいるのか、でも、それならなんで俺に抱かれたんだよ)

俺はナビに従い、みゆのアパートへ向かっていた。

ピンポーンとチャイムが鳴った。

「みゆ、桂木廉也だ、開けてくれ」

「社長?ちょっと待ってください」

私はチェーンを外し、ドアを開けた。

「入るぞ」

「はい」

「スマホ返すってどう言うことだ」

私はスマホを社長に返そうと、紙袋を渡した。

「これ、お返しします」

「どうして?」

「私が持ってる必要がないからです」

社長はしばらく考えていた。

「俺、みゆが好きだ、だからいつも一緒に居たいし、連絡取れないと心配になる、このスマホは俺との連絡用ってことで持っててくれ」

「あのう、社長は彼女いるんですよね、彼女がこの事知ったら悲しむと思います」

「前にも言ったが彼女はいない、みゆに俺の彼女になってほしい」

「そんなの無理です」