廉也はやっと、自分のしでかした重大さに気づいた。

「俺はなんてことを……」

廉也は頭を抱えた。

ゆかりは廉也の傍に座り、話し始めた。

「廉也、焦る気持ちもわかるけど、やけになっちゃダメよ、みゆさんの気持ちも考えてあげて、妊娠中で不安で、本当なら廉也が支えてあげなくちゃいけないのに、廉也を支えようと必死に頑張ってるんだよ」

廉也はわかっていた。

でも、自分の気持ちをどうすることも出来なかった。

その頃、怪我の処置を受けてベッドで休んでいたみゆは、起き上がって、廉也の病室へ向かおうとしていた。

そこへゆかりがみゆを支えてくれた。

「みゆさん、大丈夫?」

「はい、ちょっと手が滑っただけですから、それより、廉也さんはどんな様子ですか」

「しばらく一人で考えさせた方がいいかもしれないわね」

「一人で大丈夫でしょうか」

「子供じゃないんだから、放っておきましょう」

でも、みゆは廉也を放っておけなかった。

「みゆさん」

廉也の病室に向かうみゆに声をかけたが、みゆは廉也の元に急いだ。