「北山先生、痛いです、離してください」

健志はみゆをソファに押し倒した。

「みゆちゃん、俺は……」

健志はみゆの首筋に唇を押し当てた。

健志のみゆへの溢れる気持ちが爆発した瞬間だった。

「先生、やめてお願い」

健志は我に返り、みゆから離れた。

「みゆちゃん、ごめん」

健志はマンションを後にした。

みゆは溢れる涙を拭いながら、去って行く健志にごめんなさいと呟いた。

初めて与那国島で巡り合った時から、健志の気持ちに応えられない自分をどうすることも出来ずにいた。

みゆは顔を洗い、気持ちを入れ替えた。

(早く廉也さんの元に行かなくちゃ)

みゆは渡米の準備を進めた。

その頃、健志は自分の言動を後悔していた。

(俺はなんてことをしてしまったんだ、みゆちゃんを押し倒すなんて、
医者として、廉也の親友としてあるまじき行為だ)

みゆはすぐに渡米した。