そこへ廉也が帰ってきた。

「ゆかり、どうしたんだ」

「廉也、えっとみゆさんはいないのかしら」

「いるだろう」

廉也はインターホンを鳴らした。

「あれ、コンビニでも行ってるのかな、まさか」

廉也は急にみゆが心配になり、オートロックを解錠して、部屋に向かった。

「みゆ、みゆ」

リビングに入ると、部屋は真っ暗で、みゆはぽつんとソファに座っていた。

「みゆ、どうしたんだ、具合でも悪いのか」

みゆは我に返って顔を上げた。

「廉也さん、お帰りなさい」

みゆは急いで電気をつけた。

リビングの入り口にゆかりがいることに気づいたみゆは、廉也に着替えてくるように

促した。

その隙に、ゆかりに耳打ちした。

「妊娠のこと廉也さんには内緒でお願いします」

ゆかりは頷いた。