「廉也さんは忙しいんです、仕方ありません」

「みゆちゃん」

健志は呆れた表情を見せ、病室を後にした。

夜になると、廉也がみゆの病室にやって来た。

「みゆ、大丈夫か」

「廉也さん、ごめんなさい、心配かけてしまって」

「いや、俺がみゆの体調を気遣えなかったのが原因だ」

「仕方ないですよ、本人が分からないのに、廉也さんが気付いたら、お医者様になれますよ」

みゆはにっこり微笑んだ。

廉也はみゆのベッドに近づき、ベッドに腰をおろし、みゆを抱きしめた。

「みゆ、仕事がひと段落したら、日本に帰ろう」

「でもまた廉也さんはアメリカに来るんですよね、私はどうなるんですか」

「その時はまた一緒に来ればいいさ」

「本当ですか」

「約束だ、ずっと一緒だよ、みゆは俺の妻だからな」

みゆはこくりと頷いた。

廉也はみゆに甘えていた自分に気づいた。

(きっと、みゆは寂しかったんだろう、勿論、病気も気になるが、アメリカにきて、