「高城さん、ご連絡ありがとうございます、私は大丈夫です、あのう、廉也さんのお仕事はうまくいっていますか」

「はい、今日東城ホールディングスと契約を致しました、東城氏が奥様の体調を気遣っておられました」

「そうですか、よろしくお伝えください」

「かしこまりました」

「あのう、廉也さんは今日の便でそちらに向かったのでしょうか」

「はい、昨夜は書類に目を通したいとおっしゃって、ホテルをお取り致しました」

「そうですか、どなたか一緒でしたか」

「いえ、社長お一人でお泊りになりましたよ、食事は私がご一緒して、おやすみになるまで、打ち合わせを致しました」

「そうですか、ホテルに滞在の旨は聞いていなかったので、今朝ゆかりさんの所へ行ったときに、ホテルからでてきた廉也さんを見かけて、驚きました」

「大丈夫です、社長は恋愛に関しては器用ではありません、奥さま一途ですので、女性の心配はありませんよ」
「そうですか、若くて素敵なかたが、すぐあとから出て来たので気が動転してしまって」