The previous night of the world revolution8~F.D.~

…やはり、ここは俺の当初の計画を実行するしかなさそうですね。

「そんな…。一体、どうすれば…」

途方に暮れるセルテリシア。

青ざめた顔で、ぶるぶると震えている。

やれやれ。俺が泣かせたみたいじゃないですか。やめてくださいよ。

俺はベッドで女を啼かせるのは得意ですけど、泣かせるのは好きじゃないんですよ?

「…セルテリシアさん。あなたは、部下を全員首実験して、『ローズ・ブルーダイヤ』を盗んだという部下を見つけてください」

「えっ…?」

「そして、見つけたらすぐに、『青薔薇連合会』に…俺達のもとに連れてくること。それから、今回の任務でかかる全ての諸経費を負担すること。それが条件です」

「じょ、条件…?何のことですか?」

嬉しいお知らせですよ。あなたにとってはね。

「おい、ルレイア。どういうことなんだ?」

俺の意図を図りかねたルルシーが、横から口を挟んできた。

しかし、分かっていないのはセルテリシアとルルシーだけだったようで。

「ふむ、成程…。やるんだな、ルレイア先輩」
 
「さすがルレイア師匠。相変わらずやることが派手ですねー」

ルリシヤとルーチェスは、すぐさま俺の意図することに気づいたようだった。

さすが。分かってますねぇ。

「おい、お前ら。また自分達だけ先に理解して納得してるんじゃない。俺にも教えろ」

「簡単な話ですよ、ルルシー。カミーリア家は、まだダイヤの紛失に気づいていない…」

この厄介な宝石に手を出してしまったのは大問題だが。

しかし、まだバレていないのなら、やりようはある。

「だったら、気づかれる前にもとに戻すしかないでしょう?」

カミーリア家の馬鹿共が、ダイヤの紛失に気づく前に。

ダイヤを、カミーリア家の宝物庫に…本来あるべきところに戻す。

何事もなかったように。「私ずっとここにいましたよ?」と言わんばかりに。

『青薔薇連合会』の名誉を損なうことなく事態を収拾させるには、もうこれしかない。

そこで、このルレイア・ティシェリーが骨を折ってあげようと言うんですよ。