全くもう、ルルシーったら困ったちゃんなんだから。
「…やれやれ、ルルシーも冗談がお上手ですね。ちょっと離れてる間にルルシーの冗談レベルが上がっ、」
「冗談言ってるように聞こえるか?」
「…」
聞こえませんね。残念ながら。
「…じゃあ、俺の聞き間違いですね。ほら、ここ騒がしいですし。さっきからお隣のおばさんのだみ声が、」
「おばさんに失礼だろ。あと、聞き間違いでもない」
「…」
そうですか。
俺もそうなんじゃないかって思ってたところですよ。
「…ルルシー、本気なんですか?」
今度は、俺がそう聞く番である。
「あぁ、至って本気だ」
とのこと。
…あらあら…。
「お前を一人で帝国騎士団には行かせない。お前が行くなら俺も行く」
「いやー、でも、俺一人でも大丈夫ですよ?」
「お前が大丈夫でも、俺は大丈夫じゃない。絶対に一緒に行くからな。帝国騎士団の…オルタンスを脅してでも、お前と一緒に帝国騎士団に戻る」
わーお。ルルシーったら過激。
でも、そこまで覚悟を決めてるなら、俺が何を言っても無駄みたいですね。
「…分かりましたよ、ルルシー」
俺だって、ルルシーが傍にいてくれるなら、その方が心強いですしね。
どうせやるなら徹底的に、ってことで。
「じゃあ、俺と一緒に来てください」
「あぁ、そうする」
まさか、俺とルルシー両名で、帝国騎士団に戻ることになるとは。
分からないものですね、人生って。
…その日の夕方。
俺は、マリーフィアとの約束通り、日が暮れる前にカミーリア家の屋敷に戻った。
ちゃんと、お土産も買って帰りましたよ。
自分の店、『ブラック・カフェ』に寄ってきました。
今日も大繁盛で大行列だったけど、俺は顔パスで入店し、テイクアウトしました。
…え?職権乱用?
…は?
ともあれ、門限までに帰ってこられて良かったですよ。
と、いうのも。
「ただいま、マリーフィアさん」
「ルナニアさん…!お帰りなさいませ。帰りが遅いから、心配しましたわ」
俺が玄関に入ってくるなり、マリーフィアが待ち構えていた。
こいつ、ここで待ってたのか?怖っ。
と言うか、ちゃんと日が暮れる前に戻ってきたのに、帰りが遅いと言われる筋合いはない。
「何処に行ってたんですの?」
「カラオケですよ」
「からおけ…?」
カラオケルームをご存知でないお嬢様。
カラオケ行ったことないとか、人生3割くらいは損してるな。
「そうですね…。歌を歌ったり聴いたりするところです」
「まぁ。それじゃ、オペラみたいなものですのね」
間違ってはいませんね。俺の美声はオペラ歌手にも匹敵しますから(ドヤッ)。
「良いですわね…。お友達とオペラ…。わたくしも、ルナニアさんとオペラを聴きに行きたかったですわ…」
嫉妬心剥き出しのマリーフィアである。
面倒くさっ…。
それでも、俺はにっこりと手土産を差し出した。
「まぁ、そうおっしゃらず。お土産を買ってきたんですよ」
「本当ですの?嬉しいですわ」
「えぇ。ロールケーキなんですよ。一緒に食べましょう」
勿論、真っ黒ロールケーキである。
シェルドニアマックロワタリガニのカニ味噌を生地にたっぷり混ぜて焼いた、甘くて香ばしいロールケーキですよ。
我が『ブラック・カフェ』の今月の新メニューです。
「良かったですわ、ルナニアさんがちゃんと、わたくしのもとに帰ってきてくれて…」
「…はい?」
マリーフィアは、そっと俺の傍に寄り添うように擦り寄ってきた。
…何こいつ。キモいんですけど。
「どうしたんですか、一体…。戻ってくるに決まってるでしょう?俺とマリーフィアさんは夫婦なんですから」
「ふ、夫婦…。夫婦…そうですわよね…」
夫婦って言葉に照れるな。気色悪い。
俺の正妻は、いつだってルルシーだけだ。
「でも、その…わたくし達、まだ…本当の…ちゃんとした夫婦として成立してないでしょう…?」
「…」
…あー。
まぁ、そうですけど…。
…え、何ですか。俺がちょっと外出しただけで嫉妬心拗らせて、そういうことを考え始めたってことですか。
「ですから、その…。心配なんですの。ルナニアさんが、わたくし以外の女の人のところに行ってしまうんじゃないかって…」
「…」
女限定で良いんですか。
「…そんな心配、しなくて良いんですよ」
俺は、そっとマリーフィアの手を取った。
顔には勿論、「業務用」の笑顔を貼り付けて。
我ながら最高にロマンティックな雰囲気を醸し出していく。
「俺とマリーフィアさんは、れっきとした夫婦なんですよ。誰にも文句は言わせません。だから、そんな心配しないでください」
「そ、そうですけれど…。でも…」
「…それでも不安なら、もしマリーフィアさんが望んでくれるなら、今日、本当の夫婦になりましょうか」
「…!」
俺の言わんとすることは分かるな?
俺は、わざとマリーフィアの耳元に唇を寄せるようにして、甘く囁いた。
「…大丈夫。あなたが嫌ならしませんよ」
「い、いえっ…。そ、その…」
しばし、もごもごと口ごもったマリーフィアは。
…覚悟を決めたように、きゅっと俺の服の裾を握り締めた。
「…よ、宜しくお願い致します、わ」
「…お願いされました」
大丈夫、心配することはありませんよ。
「そっちの技術」については、俺は天下一品ですから。
それじゃあ、お土産の真っ黒ロールケーキを食べる前に。
ルレイア・ハーレムの新たな会員一名様を、ペロッと一口、いただいてくるとしましょうか。
ルルシーとカラオケルームでデートし、その夜にマリーフィアと結ばれ。
本当の意味で夫婦となったその日から、数週間が過ぎ。
月が変わったその日、俺はカミーリア家の自室で、懐かしい衣装に袖を通していた。
…まさか、またこの制服を着る日が来るとは。
帝国騎士団の、不気味な白い制服を。
「…」
こうして真新しい制服を着ると、嫌でも思い出してしまう。
もう何年も前。地獄のような帝国騎士官学校を卒業し、人生で初めてこの制服に袖を通した、あの日のことを。
今着ている制服は、あの時と全く変わっていない。
だけど、同じ制服を着ているというのに、その服を着ている俺は、あの時とは全く変わってしまった。
まるで違う生き物になってしまった、と言っても良い。
あの頃の俺には、まだ未来に対する希望があった。
正しい者は救われ、傷はいつか癒えると信じていた。
…いや、信じていたと言うのは語弊があるな。
信じたかったのだ。この世には、まだ正義があると。
思わず、苦笑せずにいられない。
…我ながら、青い時期があったものですね。
そういや、あの頃はまだ童貞でしたからね。
信じられます?この俺にも、ルアリスみたいな童貞だった頃があるんですよ。
もう、遠い昔の話のように感じるな。
かつて期待と希望に満ちていたはずの、真っ白な制服は。
今では嫌悪と欺瞞の象徴でしかなく、今すぐこの白い制服を、真っ黒に染めたくなる。
「…改めて見ると、ダサい制服だなぁ…」
大昔から全然変わってないデザインらしいですよ。この制服。
伝統ある(笑)制服らしいですけど。
ルティス帝国のファッションリーダーたる俺にしてみれば、型式張った、時代遅れとしか言い様がない。
こんなダサい格好、申し訳なくて、ルレイア・ハーレムの会員の皆さんには見せられませんよ。
アクセサリーだって、華美なものは着用禁止。
精々シンプルな指輪だけとか、ワンポイントのネックレスだけとか、それくらいしか駄目なんだそう。
ピアスは禁止だし、髪飾りもブレスレットも禁止。
香水だって、いつものオリエンタルな香りはつけられない。
仕方なく、シトラス系のコロンを吹き付けてみた。
全然テンションが上がりませんね。はー、憂鬱な気分。
…すると、そこに拍車をかけるように。
「ルナニアさん。起きてらっしゃいます?」
「あ、マリーフィアさん…。おはようございます」
「おはようございますわ…。あら?その格好…」
今では名実共に、正式に夫婦として結ばれたマリーフィアが、俺の部屋にやって来た。
帝国騎士団の制服を着た俺を、マリーフィアはぽかんとして見つめていた。
…何だ。惚れたか?
「どうしました?」
「あ、いえ…。そのお洋服、何処かで見たことがありますわね…」
おいおい。ボケてるつもりか。
「見たことがあるも何も、帝国騎士団の制服ですよ」
「あぁ、言われてみれば…確かにそうですわね。…でも、どうしてルナニアさんが帝国騎士団の制服を…」
「お忘れですか?俺、今日から帝国騎士団に復帰するんですよ」
貴様の母親が、勝手に決めたからこうなってるんですよ。
全く、良い迷惑だ。
「そういえば…。今日からだったんですのね」
「えぇ。記念すべき初出勤日です」
まぁ、二回目なんですけどね。
再出勤日と言ったところか。
「そうなんですの…。残念ですわ。わたくし、今日はルナニアさんとショッピングに行こうと思ってましたのに…」
それは残念だったな。
つーか、お前はショッピングの前に、大学に行って授業を受けろ。
「済みません、今度のお休みの日に一緒に出掛けましょう」
「…仕方ありませんわね。頑張ってくださいな」
そう言って、マリーフィアはわざとらしく、俺の頬にそっとキスをした。
新妻が、出勤する夫に行ってらっしゃいのキスをするかのように。
気色悪っ。
これがルルシーだったなら、軽く敵対勢力を一掃するくらいのやる気が出るのになぁ…。
マリーフィアじゃ、げんなりするだけで、むしろ元気がマイナスですよ。
夜を共にして以来、マリーフィアとの距離がぐっと近づいた気がする。
俺としては、内心吐き気を催しているが。
それでも、顔だけはにっこりと微笑んでみせた。
「ありがとうございます、マリーフィアさん。行ってきます」
「えぇ。行ってらっしゃいませ」
笑顔で手を振るマリーフィアに、俺もまた笑顔で答え、自室を出た。
しかし。
意気揚々と出勤しようと、屋敷を出ていこうとした直前。
「…行くの?」
「はい?」
突然背後から声をかけられて、振り向くと。
そこには、険しい顔をしたメリーディアさんが立っていた。
お見送りですか。ご苦労なことですね。
「あぁ、メリーディアさん…。おはようございます」
俺がこんなにも、爽やかに挨拶したというのに。
メリーディアは相変わらず険しい顔のまま、俺を睨んでいた。
「どういうつもり?」
「…何がですか?」
「あなた、本気で帝国騎士団に戻るつもりなの?」
「勿論、そのつもりですよ」
この制服を見たら分かるだろう。
「何を企んでるの?」
この女は、俺が何をしようと何か企んでいるようにしか見えないらしい。
確かにその通りですけど、疑われるのは心外ですね。
俺は苦笑いをして答えた。
「何も企んでなんかいませんよ。どうしてそう思うんです?」
「帝国騎士団は、かつて自分を捨てた組織でしょう。どうして、そんなところに戻る気になったの?」
…へぇ。
あなただけは、まともな感性を持ってるんですね。
その言葉、あなたの義理の母親に言ってやってくださいよ。
俺だって、戻りたくて戻るんじゃない。
あんたの継母が勝手に、俺の気も知らずに帝国騎士団に戻ることを決めたんですよ。
「…そうですね。思うところがない…訳じゃないですけど」
俺は、わざと神妙な顔をしてみせた。
思うところがないどころか、あんな奴ら全員死ねば良いと思ってますけどね。
「でも、折角お義母様が良かれと思って、骨を折って俺が帝国騎士団に戻れるよう口添えをしてくださって…。お義母様の労に報いる為にも、俺はもう一度信じてみたいと思ったんです」
「信じる…?」
「えぇ。帝国騎士団の掲げる正義。かつて俺が信じた正義が、まだそこにあると」
「…」
我ながら、最高に白々しい台詞である。
帝国騎士団の掲げる正義(笑)。
そんなものが、本当にこの世に存在するとでも?
「だから、あなたも俺を信じてくれませんか。メリーディアさん」
「…そんなこと…」
「無理、ですか?…分かりますよ、かつては俺も、そう思ってましたから。無実の罪で帝国騎士団を追い出され、実家から追放された時も」
敢えてその時の話を出すと、メリーディアはハッとして俺を見つめた。
よし、食いついたな。
「今のあなたと同じように、何も信じられなくなりました。もう二度と、誰かを信用しない…。世界に絶望して、そう思い込んでいたんです。…でも、そうじゃなかった」
これは、あながち嘘って訳じゃありませんよ。
帝国騎士団を追い出され、精神病院に入院していた間の俺は、何も信じられなかった。
毎日のようにお見舞いに来てくれる、ルルシー以外の何も。
「俺は、自分を信じてくれる人に出会いました。愛しいマリーフィアさんと、心優しいカミーリア家の人々に」
「…」
「あなたのことも、です。メリーディアさん」
俺は優しい微笑みを浮かべて、メリーディアの手を取った。
メリーディアは、その手を振りほどかなかった。
「あなたがどう思おうと、俺はメリーディアさんのことも信じてますよ」
「どうして…そこまで…」
ほう?
「マリーフィアさんが、俺に信じさせてくれたからです。自分なんてどうしようもない存在だと思ってたけど、そんな自分を愛してくれる人がいる。世の中は、捨てたものじゃないって」
今、俺、「マリーフィアさんが」って言いましたけど。
その部分、「ルルシー」に脳内変換してください。そうしたら真実です。
「だから、自分を捨てた帝国騎士団のことも、もう一度信じてみることにしたんです。そう思わせてくれたのは、マリーフィアさんのお陰なんです」
「…」
「すぐには信じられなくても良い…。でも、いつかメリーディアさんも、俺のことを信じてください。いつかそんな日が来るって、俺も信じて待ってますから」
最高に素敵な、「業務用」の笑顔を浮かべてそう言うと。
メリーディアは目を見開き、希望を称えた眼差しでこちらを見ていた。
…ふっ。チョロいな。
あの妹あって、この姉ということか。
じゃ、ここいらが引き際だな。
「…それじゃあ、行ってきますね」
「え…えぇ…」
俺は最後にもう一度、にっこり微笑んでから。
メリーディアに手を振って、カミーリア家の屋敷を後にした。
歩いていく俺の背中を、メリーディアはいつまでも、見えなくなるまで見つめていた。
…で、そんなことは心底どうでも良い訳ですよ。
それよりも、俺にとって大切なのは。
「…ようやく来たか。ルレイア」
「…る…ルルシー…」
待ち合わせ場所に向かうと、そこに、既にルルシーが来ていた。
ルルシーもまた、帝国騎士団の真っ白い制服を着て。
目立たないようにだろう、その上にグレーのジャケットを羽織って、俺を待っていた。
な…なんて素敵な…。
「ルルシぃぃぃぃっ!」
「ちょ、馬鹿。抱きつくな!人が見てるだろうが!」
そんなことどうでも良いんですよ。
誰が見ていようと関係ない。今、俺の瞳に映っているのはルルシーだけです。
「だが、まぁ…一応、元気そうで良かった」
「朝からルルシーに会えたので、俺は元気いっぱいですよ」
「そうか…。なかなか来ないから、何かあったんじゃないかと思って心配したぞ」
あぁ、それは済みません。
出掛けに、マリーフィアとメリーディアの相手をしなきゃならなかったもので。
「お待たせして済みませんでした」
「いや…良いよ。こうして元気そうな顔見られたから、それで充分だ」
聞きました?今の台詞。
完全に俺を殺しに来てますよ。
「はぁはぁ、ルルシー素敵。はぁはぁ…」
「…何妄想してるんだ。気持ち悪い」
「胸がきゅんってしました。今、胸がきゅんって」
「はいはい…」
呆れ顔のルルシー。でもその顔も素敵。
久し振りに見るから、余計素敵に見えますね。
「そんなことは良いから、さっさと行くぞ」
「そうですね。それじゃ、朝ご飯を食べに『ブラック・カフェ』に寄って行きましょうかー」
「は…?」
おっと。驚いているようですね?ルルシー。
それもそのはず。
「最近『ブラック・カフェ』で、数量限定のモーニングメニューの販売を始めたんですよ。あ、テイクアウトも出来るんですよ」
「おい、ちょっと待て。悠長に黒カフェで朝飯食ってる場合じゃ、」
「ルルシーとリッチにブラックなモーニング…。とっても素敵ですね!」
「あ、こら」
想像しただけで、胸が高鳴りますよね。
一日の初めは、美味しい朝食から。
俺は早速ルルシーと腕を組んで、自分のお店に向かった。
その後、俺は『ブラック・カフェ』でルルシーと共にモーニングを堪能。
久し振りに、ルルシーと一緒にお食事とお喋りを楽しみましたよ。
素晴らしい時間でした。
で、ついでにお土産も買ってきました。
「はー。美味しかったですねー、ルルシー」
「あぁ…相変わらず全てが真っ黒だったな…」
「ルルシーは、どれが一番美味しかったですか?」
「そうだな…。クロワッサンサンドも美味かったけど…。デザートのヨーグルトが美味しかったな。あれで黒じゃなくてちゃんと白かったら、もっと美味しかったと思う」
「あ、あれはヨーグルトじゃないですよ」
「え?」
「シェルドニアジゴクヒグマの脳みそペーストに、シェルドニアシッコクダイワームを磨り潰して作ったソースをかけたものです」
「うぉぇぇぇ…」
うふふ。ルルシーったら素敵な反応。
期待通りで、とっても嬉しいですよ。
何なら、美味しいって言って食べてた、あのクロワッサンサンドも…「にゅふふ」な材料で作ってますし。
ルルシーにはまだちょっと刺激が強いので、また今度お話しましょうね。
「そ、そんなことより…」
気持ち悪いものを食べさせられたことを忘れようと、ルルシーは頭を振って話を切り替えた。
「今、もう結構良い時間なんだけど…。絶対、出勤時間過ぎてるよな…」
「そうですね」
時刻は、午前10時過ぎ。
いやぁ。重役出勤ですね。
「入社…いや、入団初日にこれは不味いだろ…さすがに…」
「そうですか?あんな奴ら、いつまででも待たせてやれば良いじゃないですか」
「これが普通の企業だったら、俺達初日でクビだな」
普通の企業だったら、ね。
普通じゃないですから。俺も、ルルシーも、帝国騎士団も。
「まぁまぁ、そんなことは気にせず」
「気にするだろ…」
「ゆる〜く行きましょうよ。ゆる〜く。肩の力を抜いて。ね?」
「お前はいつも、本当に力入ってる時あるのかってくらい肩の力抜きまくってるよな」
え?今何か言いました?
全然聞こえませんでしたねぇ。
「じゃ、食後のスムージーでも買って飲みながら、のんびり出社するとしましょうか〜」
「…自由だな…」
そりゃあ、勿論。
帝国騎士団の、お固い規則に縛られるなんて二度と御免ですからね。