大好きな人に壊されたいという、初めて芽生えた衝動。


すると藍くんは荒々しく前髪をかきあげ、ぶつけるように熱を吐き出した。


「……あー、もう無理。もっと俺の手で乱れてるとこ見せて」


ああ、藍くんも余裕がないんだ……。

そう実感すると、胸の奥のどこかが溶けたような感覚を覚えて。


降ってくるキスを受け止めながら、シーツの上で重ねられた手に指を絡める。


――触れ合う唇を通して、身も心も藍くんとひとつになれた気がした。