「そんなの……」と口ごもったわたしの身体は、気づけば宙にふわりと浮いていた。


そしてわたしを抱き上げた藍くんは、そのままくるりと身体を半回転。


ぼふんと背中に柔らかい感触が当たる。

あっという間に布団の上だ。


わたしに覆いかぶさった藍くんが、少し怒ったような瞳で見つめてくる。


「由瑠さん、あんた自分がどんだけ可愛いかわかってる?」

「へ……?」


藍くんの言う「可愛い」の破壊力はとてつもなくて、顔がぼんっと発火したように熱くなる。


だけど、そっくりそのままお返ししたい。

藍くん、貴方は自分がどれだけかっこいいかわかってる……?

わたしの心臓は、いつだってきゅんきゅんさせられっぱなしなんだよ。