リビングで扇風機の風に当たりながら乾かそうと手に持っていたドライヤーをコンセントに差してから渡して、藍くんの隣に空いているスペースに座った。
するとドライヤーが温風を吐き出し、藍くんの長い指先が優しく繊細にわたしの髪を撫でていく。
自分の髪から、時折藍くんから香る柔らかい匂いと同じそれが漂っていることがくすぐったい。
ドライヤーを止めると、風で乱れた髪を藍くんが整えてくれた。
その手つきがすごく優しくて、そんな些細なことからも、恋人になったことを実感せずにはいられなくて。
やっぱりわたしはどうしようもなく藍くんのことが好きだ。
もっと藍くんに触れたいよ……。
こんなことばかり考えてしまうなんて、わたし、やっぱりおかしいのかもしれない。
自分が破廉恥になったみたいではしたないし、すごくはずかしい。
でもこれだけ藍くんのことが好きなの。