すると瑛麻ちゃんがにやにやと得意げな顔を作る。


「まぁ、でも、私は藍先輩の気持ちに気づいてたけどね~」

「え?」

「だって藍先輩、だだもれだったもん。女の子にはモテモテだけどさ、ゆるるんを見つめる瞳だけはすっごく優しくって。ああ、ゆるるんは愛されてるんだなぁって、すぐにわかったよ」


瑛麻ちゃんの口から聞かされた思いがけない言葉に、耳までかぁぁっと熱くなる。


「ほ、ほんと……?」


すると瑛麻ちゃんがわたしの耳元に口を寄せてきた。

そしてこしょこしょと、まわりに聞こえないボリュームで囁いてくる。


「……っていうか、藍先輩ってキス、うまいの?」

「ほ、ほぇっ!?」


突然投下されたキスという過激な発言に、わたしは教室であることも忘れて、変な声をあげてしまう。


「だって、あんなイケメンがどんなキスするのか気になるじゃん~」


目をきらきらさせて、瑛麻ちゃんってば好奇心が旺盛すぎるよ……!


恋バナになると、瑛麻ちゃんは度々暴走モードのスイッチがオンになる。