そして顎を持ち上げられたかと思うと、下から掬い上げるようにキスをされる。
久々の溺れるような甘い感覚に、わたしは着いていくだけでやっとだ。
体温と吐息が溶け合っていく。
藍くんとひとつになっていく。
どうして藍くんとのキスはこんなに気持ちいいんだろう。
もう二度と、この熱に触れられると思っていなかった。
そう思うと、どきどきと、きゅーっと切ない気持ちと、嬉しい気持ちで、胸がいっぱいになる。
本格的に発情が起こって、頭ぼんやりしてきた。
甘い刺激に流されそうになって、わたしは思わず「待って」と藍くんの腕を掴んでいた。
