ああ、あふれてしまう。
涙と共に、こんなにも募った想いが。
「わたしも好きっ……。好きだよ、藍くん」
涙でぐちゃぐちゃになった声を張り上げた、その時――ざああっと頭上で木々が揺れる音がした。
はっとした時には、わたしは藍くんの腕の中にいて。
「なぁ、それ本気で言ってる……?」
震えた声が、鼓膜を揺らす。
いつだって自信に満ちた声が、こんなにも頼りなさげに揺れるのを、わたしは初めて聞いた。
涙が込み上げてきて言葉にならないわたしは、藍くんの腕の中で何度もこくこくと頷く。
すると、ぎゅうっとまるで壊れ物を壊したがっているかのような荒い力で抱きすくめられる。
「もう我慢なんてできないから」