ファミレスを出て、わたしは藍くんに腕を引かれるまま、並木道を歩いていた。 ずんずん進んでいくその背中に、わたしはやっとのことで声をぶつける。 「藍くん……っ、どうしてあそこに……っ?」 すると、ようやく藍くんの足が止まった。 そしてこちらを振り返る。 「うちの奴らに調べさせた」 "うちの奴ら"というのは、きっと財閥の関係者のことを指しているんだろう。 さっきのやりとりが蘇る。