横目で名刺をちらりと見たおじさん。

けれどその瞬間、一気にその顔が青ざめた。

そして信じられないというように、名刺をひったくるかのごとく手に取る。


「千茅、藍……。千茅ってまさか、君はあの千茅財閥の御曹司か……!?」

「え!? 千茅財閥って、あなたの会社の親会社じゃないの……!」


おじさんとおばさんの悲鳴にも似た声の中、わたしは呆然と藍くんを見つめていた。


え……?

藍くんが御曹司……?