けれどおじさんは、自分の息子ほどの若い同性に言い負かされ、プライドを傷つけられたようだった。

腕を組んで、鼻を鳴らす。


「ふん、なにを偉そうに」


すると、藍くんの瞳に暗い光が灯ったのがわかった。


「だれがそんな口を利いていいと言った?」


冷たく言い放つと、なにかをテーブルに投げ捨てた。


それは名刺だった。

素人目にもわかる、金色のラインの入った高級紙の名刺だ。


「まさか知らないとは言わないだろうな」