「家賃も生活費も、全部お支払いします。ただ、住む場所だけを貸してほしいんです……」


すると、おじさんが口を開いた。


「僕たちだってね、僕たちの生活があるんだよ。今年は息子の大学受験もある。そんな簡単に受け入れられるわけないだろう」

「はい……」


ああ、やっぱり。

ここにも、どこにも、わたしを受け入れてくれる居場所はない。


きゅうっと肺が狭まっていく。

酸素が見つからない。