膝の上に置いた拳が震える。 言わなきゃ……。 怖気づいている場合じゃない……。 「あの……図々しいお願いだとわかっています。ですが……高校を卒業するまで、わたしを置いてもらえないでしょうか……」 わたしはテーブルに額がつきそうなほど深く頭を下げ、震える声でそう告げた。 すると。 「なにを言い出すと思えば、この子ったら」 おばさんが吹き出して、おじさんと目くばせをし合う。