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結局、主役の姫は萌に決まり、

文化祭前日の今日も準備は滞りなく進んでいた。


「小道具も完璧だし、私達の仕事は終わりだね」

「だね、明日なにする?劇の時間以外フリーなわけだし、結構自由だよね!」


小道具係になった友人たちと楽しく文化祭の話をする私は、

もうしばらく皇輝とは会話をしていない。


「あー疲れた!もう前日は帰ろうぜ!」

「その恰好で言うなよ、台無しだろ」


小道具と大道具が準備をしている教室に、騒がしく入って来た皇輝とその友人。

劇のキャスト達は、教室の外で練習をしていて、あまり準備期間を一緒に過ごすことはなかったから

私たちは、珍しい声に顔を上げ扉に目を向ける。


「すっご!!」

「おおー!」


クラスからは歓声が上がる。

それもそのはず、まるで本物の王子様のようなこだわった衣装で登場したのだから。


衣装係が作ったと聞いていたけど、王子様や衛兵、それぞれがイメージを鮮明に表現した、ドラマさながらの衣装だった。