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王子様に助けられた少女は、家族と共に、町を出ることになりました。


「私達は、町でも大丈夫です…」

「いえ、心配ですので。
もうここに住まわせることはできません」


困惑する家族にも頑なに引越しの話を進め、

住まいも引越し作業も全て手配すると言った王子様。


戸惑いながらも承諾した家族に、王子様は少女を見て微笑みました。


「もうこれで、大丈夫。俺が必ずお前を守るから」


その微笑みの優しさに少女は頬を赤らめます。


この王子様、無茶苦茶だと思っていたけど、良い人なのかもしれない…。

少女は、硬い表情で、微笑み返しました。


大好きだった町の人たちから、酷い扱いを受け、

傷ついてしまった心に、王子様の親切はとても温かく真っ直ぐ届いていたのです。