次の瞬間には、大輪の花束を差し出され、少女は目を丸くします。


「ん?早く受け取れ」

「そんな、受け取れません」

「なぜだ!」

「な…なんでもです…!」


ギュッと押し出される大輪の花束を控え目に押し返し、少女は深々と頭を下げました。


「どのようなお考えがあってのお言葉かは存じませんが、私には理解できかねます!

どうか、お考え直しください!失礼します…!」


勢いよく体を翻し、家へと戻ろうとした少女。

その少女の腕を王子様は掴み、止めました。


「…血が出ている。気をつけろ」


心配そうな優しい瞳に、少女は顔を真っ赤にし、手を振り払いました。


「…っ、し、失礼します!!!」


もう一度、深々と礼を返し、家の扉を閉めた少女。


「…な、何を言っているの…?」


到底信じることのできない数々の言葉たちに、少女はその場に座り込み頭を抱えました。


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