「ああ、いいさ、動機なんていくらでも教えてやる! 俺と比べられてきたお前が寵愛する義理の妹! そいつは俺も、お前すら持たない王家の証を持っている! お前にわかるか!? その時の俺の絶望が! 壊してやりたいと思ったことが、わかるか!?」
「わからないな」
「ぎぃいい!!」

 淡々と答えるユリウスに、オリバーは頭を掻きむしって獣のような声をあげた。

「わかるものか。たかだか嫉妬で何人も殺したお前の絶望など」
「――は」

 ユリウスの言葉がその場に落ちると、オリバーは顔を押さえていた手をどけてぼんやりとユリウスを見やった。――そうして。

「なんだ、ばれてたのか」

 にい、と笑った。