「まさかその顔が先代女王と似ているから、なんて言わせるなよ。似ているものなんて星の数ほどいるんだから」
「黙れ。……ベン、カーテンを」
「はい」

 しかし、ユリウスは動じもせずに、ベンジャミンにカーテンを開けるよう命じた。
 ベンジャミンは頷き、彼の手によってカーテンが開けられる。さあ、と光られたカーテンの向こう、落ちかけの、それでも確かな陽光が会場へと入ってきた。

 当然、レインの目にもその光が落ちる。それを見ていたオリバーの側近の一人がおどろいたように呟いた言葉は、レインの瞳のその変化を目の当たりにした学生たちの耳によく響いた。

「暁の虹……!」
「な……!」

 ――暁の虹って、王族の!?
 ――まさか、本当に!?