それでもこうやって想介を突き放さないと耐えられないの。
想介と私は幼馴染。
俗にいう、腐れ縁ってやつだと思う。
誕生日だってあいつが2月3日で私が2月4日。
お母さんどうしも仲が良くて、誕生会は一緒にするほど。
なんなら私と想介がお互いの家を行き来することも当たり前に両家で公認されている。
「ねー、ひまり。俺のネクタイどこ」
「なんで私がわかると思ってんの……」
そしてこの男が大崎想介。
小学生、中学生とずっと同じクラスで高校まで来てしまった。
ブラウンの瞳が印象的で、それと似てるけど少し暗いダークブラウンの髪。
中性的で整っている顔立ちは年上年下問わず人気がある。
背だってスラリと高くて、手足もモデルみたいに長い。