……と、いうのは全部昨日のハナシ。
今日の朝、わたしはいつも通りに幼馴染の家に入る。
「想介、おはよ」
大丈夫、だよね。
何回も鏡の前で練習したから笑顔は引きつってないはず。
お母さんにすごく変な目で見られはしたけど……。
「ん……、はよ」
シャコシャコ音を立てて歯磨きをしている想介。
寝起きだからか跳ねているブラウンの髪に愛おしさを感じてしまった。
「あー、ねむ……」
呑気そうに大きなあくびをするものだから、自然と私にも笑顔ができる。
「そんなにのんびりしてる時間ないよ。わたし皆勤賞狙ってるから、急いで」
「……ん」
ちょっと冷たすぎたかな、
思ったより冷たい声が出て自分でもびっくりした。