自分で起きることができない私の病気。そして、自分では眠ることができない重度の不眠症を持つ朝くんの病気。


―ということで、まだ同居としては早々な年齢かもしれないが、同居することになった。


病気のため、互いに一緒にいなければ生活できないので、同居の案はいいとされていた。

恋愛感情もあるということで、同居という手段は、冗談でも笑い話でも何でもなく、現実へと変わっていった。


―というのも、同居してまだあまり時間は経っていない。最初の頃よりかは慣れたと思うけど。


案の定のこと、お母さんや家族、そして友達は、私のことをとても心配していた。

急にお母さん達と離れる?2人きりで同居?それに男子と?家事もできる?お金は?これからの勉強、大学だってどうする?


―病気のことは置いといて、あなたはその道を選んでいいの?


病気のため、2人きりで住まなければいけない。

私だって悩んでいた。

四六時中、それに男子なんかと毎日過ごすとか、誰であっても流石に落ち着けない気がする。絶対、無理だ。そう、思っていた。


「家事でも勉強でも俺は何でもできるつもりです。互いの事情を考え、俺も同居は賛成ですね。これは、命に関わる病気の事なので」


よくわからないが、何故か妙に説得力があった。彼の真っ直ぐな目が原因だろうか。


「心配する気持ちもわかりますが、絶対に俺は、彼女を傷つけたりしません、約束です。大丈夫、俺は死んでも彼女を守りますんで」


は?声が出そうになった。

いや、彼はこんな奴じゃない。

これは、ただ猫を被ってるだけ。

なのにそれを見抜けない私のお母さんは、みるみるうちに表情が曇りから晴れに変わる。