―ガラッ
思い切り扉を開ける。その瞬間、しんと空気が沈むように静かになった。
真っ先に目に入ったのは、何も変わらず瞼を閉じて、眠る彼女の姿だった。
少し違うのは、酸素ボンベのようなものを口に付けられていること。
段々とその他も見えていく。驚いたように自分を見つめる医者らしき人、何人もの看護師、そして、彼女の母親もいた。後ろの影には何故か、小鳥さん、そして夕だっている。その他にも、俺の知らない人が沢山いて…
時限爆弾のような音は、この病室からだった。
「朝、ちょっと」
宥めるように夕が近付いてきて、廊下に出される。柚は病室に入ったみたいだった。
「俺もさっき来て事情知った。落ち着いて、聞いてほしい、んだけど」
「は、?なんでこんなに人が?なんで、夕がいんの?意味わかんないんだけど」
ドク、ドク…
心臓が鳴る音が大きくなる。それと同時に、心臓が鳴る度にズキンと、頭痛がする。