『…元気…ですけど?』

『ハハッ怒ってんのか?』

『そりゃあね!何回こっちからかけてると思ってるわけ??』




電話に出なくて落ち込んではいたけど、怒ったことなんて一度もないのに何故か怒ったふりをしてしまう言動。


『お前しつこいのな。まぁ最近電話も来なくなったから彼氏でも出来たんかなって思ってさ。』

『…そんなの居ないから。』

『…そうか。』


まーちゃんの声のトーンが急に下がった気がして彼氏が居ないことにガッカリされたのか、なんだかチクンと胸が傷んだ。


『今何してるの?』

『俺はちょっと地元に帰ってて、お前は?』

『バイト帰り…。』


まーちゃんの地元は海沿いの本家。やっぱりあそこには住んでいないんだと改めて自分の中で再確認。


『家まで送ってってやるよ。今どの辺歩いてる?』

『……え?』





え?会えるの?本当に?


『今歩道橋の近くまで歩いてる…けど…』



いいの?と途中まで出かけたけど、その言葉を飲み込んだ。
やっぱり止めたって言われたら、またかって…苦しくなりたくないから。