「お先失礼します。」

「お疲れ様ー。」

店長や、他のバイト仲間さんに退勤の挨拶をして徒歩20分の家に帰る。


なんか疲れたなぁ。
あ、でも期末テスト期間に入るからバイトもまた休まなきゃ。

お腹空いたなぁ。


いつも通り、耳にワイヤレスイヤフォンを装着して好きな音楽をかける帰り道のルーティン。




心の中で歌いながらも、今日の晩御飯のメニューは何かな、勉強嫌だなと考えながら歩いていると


音楽が突然切れ、

マナモードにしていたスマホが震えているのに気付き、ブレザーのポケットからスマホを取ると






まーちゃんからの着信の表示が見えた。



二回目の着信に

消えてきた恋心だった筈なのに、また波のように戻ってくる感情。

どうしていつも心の準備が出来ていない時なんだろね。

電話一つでこんなに心乱される。


軽く咳払いをして胸の高鳴りを抑えて電話に出る。






『…もしもし?』

『よう。元気か?』