『…遅いから!どんだけ待ってたと思ってんのよぉぉ。』

嬉しくて、恥ずかしくて、かかってこなかった電話の焦りと不安に、沢山の感情で泣きそうになりながら話す。

『…ん、あぁ。いや…本当は電話しないつもりだったんだ。』

『な…んで?』




いつもこれだ。私の想いと正反対な言葉を言われてしまう。
欲しい言葉が言われなくて、求めていた言葉を言われなくて、
いつもいつも苦しいよ。



『お前今男と歩いてたろ?』

『え!?見たの!?』

『お前らが歩いてる反対車線走ってたから一瞬だったけどお前ってわかったわ。』



良太が慌てて電話をしている私の姿を見て【大丈夫か?】と口パクで心配してくれてる。


「良太ごめん、あそこミッチーの家、あとは頑張れ!!」


と、電話を繋げたまま困った顔をしてる良太を置いて、早歩きでその場から離れて見える筈ないあの白い車を探す。



『もしもし?まーちゃんどこ?』

『お前大丈夫か?』

『何が?まーちゃんが見た男は私の友達と付き合う男!友達の家を教えてあげただけだよ。』

『ふ~ん。』

『ねぇ…お願い…どこよぉ…。』